クラブEKO

 
  • フォントサイズを増やす
  • デフォルトのフォントサイズ
  • フォントサイズを減少させる
Home 音楽の広場 音楽療法 セッションのマンネリ化から脱却するために

セッションのマンネリ化から脱却するために

意図的な繰り返しと「マンネリ化」


音楽のセッションを行っていく過程で、「意図的に、一定のやり方を繰り返す」ということは、音楽療法の性質から必要なことではあります。
しかし、セッションを行っていく道程で、ある程度固定化された自分のやり方でセッションを長く続けているとマンネリ感に襲われことが往々にしてあるでしょうし、また自分のやり方に疑問を感じたり、限界を感じることもあるでしょう。

ところで、「マンネリズム」(マンネリ)とは、一定のやり方が繰り返されるだけで、新鮮味がないことです。
ですから、意図的に一定のやり方を繰り返すこと自体は「マンネリズム」ではなく、そこに意図がある限り、それはセラピストの考え方でいつでも他の方法に変えられるということをも意味します。

しかし、「繰り返し」が意図的ではなく、また他に方法が見つからないために「同じことの繰り返し」を続けていると、実際にセッションがマンネリ化してしまいます。そうなると、セッションを行うことが苦痛にさえ感じ、それに替わるものが見つからなければ自分に限界を感じてしまうことにもなります。

逆に、「マンネリ感という体験はない」というセラピストがいるかもしれません。
自分のセッションに自信を持つ人は「マンネリ」を感じないでしょうが、「マンネリ化」はセラピストだけの問題ではなく、セッションの参加者にも言えることです。そして、参加者がセッションに新鮮味を感じなければ、セッション自体が無意味なものになる危険性があります。
ですから「一定のやり方」を繰り返す場合には、それが意図的かということの他に、参加者が「マンネリ化」を感じていないかを感じ取ることが大切になります。

斯く言う筆者も、実は「マンネリ化」を感じたことは、今まで「もちろん、度々!」あります。
セッションに「マンネリ化」を感じることは、ある意味で「それから脱却するため」に必要なことなのかもしれませんし、逆に誰かから「マンネリ化など感じたことはない」と聞くと、羨ましいと思う前に、「一体、どんなセッションをやっているの?」と不思議に思ってしまうほど、それは当然のことだと思っています。

いずれにせよ、マンネリ化を感じる場合には、そこから脱却する方法や手段を考えなくてはなりません。
参考になるかどうか分かりませんが、筆者自身が「マンネリ化」を防ぐために考えることをいくつか挙げてみようと思います。
考えを詳しく書くと長くなるので、ここでは要点だけを羅列します。機会があれば、それらについての中身について、お互いの体験の交換の意味も含めて、語り合ってみたいものです。

●グループ、あるいは個人の目標 ⇒ 「最終的に、このグループを、どうしたいのか?」を考える。
*グループの構成と参加者の機能的なレベルによって、「自分が音楽に参加しているという意識を持つ」、「自分が認められているという認識を持つ」、「それぞれなりの楽器の演奏で、一緒に曲を演奏する喜びを感じる」、あるいは「アンサンブルで演奏する」、「どこかで演奏できるよう能力を伸ばす」など。

● 「曲の(音楽の)提供」についての、発想の転換: どんな曲を使って何をするか? ⇒ 参加者の、何を引き出すのか?
*一般的に「今日は何の曲をやろうか?」と考えがちだが、まずグループの構成から、グループや個人から、上で挙げた目標に向かって何かを引き出すための曲を選択する。(曲が大事なのではなく、何をするかがより大切)

●こちらからの提供 ⇒ 何をすれば参加者が活きるか?
*一般的に「この曲を使って、何かをする」と考えるが、その場合に「こちらがどうすれば、相手が活き活きとそれが出来るか」を考える。

● 対象者の理解と知識: 
(例えば)
・「高齢者と認知症高齢者では、何が違うのか?」
・アルツハイマー病と前頭葉性認知症では、何が違うのか?
・記憶の低下についての知識
・認知面での症状についての知識
・知的障害と自閉症では、何が違うのか?
などについての知識があるかどうか?

● セッションの組み立て: 選曲 ⇒ 何をどういう意図で、どう使うのか?
*一般的には、障害者、高齢者対象のセッションでは、
はじまりの曲
季節の歌
動作の曲
演奏の曲
終わりの曲
などの組み立てで、その中でどの曲を使うかを考えることが多いと思われる。

その場合、例えば「何をするか」と考える場合に、演奏や歌、動作など単に音楽の要素を使うのではなく、そのグループや個人に「何が必要か」という観点で、考えられる「要素」を基にセッションを組み立てる。

一つの例:(高齢者対象の場合など)
・要素 1 安心を供給
・要素 2 基本的な運動能力の訓練
・要素 3 歌う、あるいは発声の能力
・要素 4 グループにおける音楽演奏
・要素 5 記憶力の訓練
(もちろん、高齢者でも認知症の有無、あるいは障害を持つ人の場合その機能的レベルによって、要素はそれぞれ異なるものになる)

● 同じ曲の使い方での変化 ⇒ 状況に合わす ⇒ 前に進める
*一つの曲を状況に合わせて使う(クリニカル・インプロビゼーション)。 
(同じ曲でも、相手によって使い方、関わり方を変える)
*グループで一つの曲を作り上げること ⇒ 役割の分担(歌、演奏) ⇒ レベルアップを図る
(段階的に、難度やバリエーションを増やしていく)

● 即興の曲を使う ⇒ 発見
*ピアノでの即興と、打楽器での即興
(即興演奏では、連弾方式で「完結型」の伴奏をし、相手がどのように演奏しようとも一つの曲にまとまるようにする。)

● アンテナ ⇒ 感性 ⇒ 反応の評価と対応
*参加者がどのように感じているか、活き活きとしているかを感知する感性を養う。

● 次のセッションを期待することが、余韻として伝わっているか?
*セッションの目標として、「参加者が、次に繋がる期待感を持ってセッションを終わること」ということを念頭に入れてセッションを終了し、それがあるかどうかを余韻として感じ取る。

以上、思いつきのままに、考えられることを羅列してみました。
この他にも、きっと皆さん方もいろいろなヒントやアイディアをお持ちでしょう。
そういうものを交換出来る、交流の場があると良いですね。
音楽療法の研究会は、きっとそういうことのためにもあるんでしょうけど、中々そういう話題が少ないと思うのは僕の偏見かもしれません。Wink


 

 

オンライン状況

現在
 ゲスト 9 人
 がオンラインです