財布のいらない国

暮らしと文化

今日、街へ出がけに、交通カードが入っている財布を手にして…
ふと…「何で財布を持ち歩いてるんだろう?」って思いました。

考えてみれば、4年前にこっちに戻って来てから現金を使ったことがあまりないんですよね。

店での買い物も市内の交通も全部カードで支払ってるし、そのため、財布の中に現金が入っていることもほとんどない。

もう、「現金なんてずいぶん長い間使ってない!」という人は随分多いでしょう。

そう、スウェーデンは日本では想像出来ないくらいの「キャッシュレス」が進んでいる国なんです。

1年くらい前に、今までの紙幣が全部使えなくなって新紙幣に変わったんですが…それでも、こんな紙幣を見ることも、今ではほとんどありません。

「使えないんなら、何で新しい紙幣に取り替えるのかな?」とも思ったんですけど、とにかく、住んでる僕でもスウェーデンのお金を見ることは少ないので、もう、お札やコイン見ても、それがどこの国のお金なのかも思い出せないくらいです。

何せ…「現金の使用お断り!」の表示が出てる店がたくさんあるんですよ。

スーパーや商店街のお店は、ほとんどというか…、少なくともストックホルムじゃ、どこでもみんなカード払いですし、とにかくレジでお金を支払っている人をほとんど見かけないんですから…。

日常生活の要であるスーパーでも、「現金は使えません!」という表示があるくらいだから、もう財布は不要だって言っても良いと思います。

スーパーや普通のお店だけじゃなく、床屋や街頭での花屋とかお土産屋さんでも「カード払い」が普通になってるし、もちろん市内の交通も、日本のSuicaのようにカード払いです。

もっとも、市内の地下鉄には改札口はあるけど、郊外の鉄道の駅には、改札口というものさえないのが普通ですけど…。

街の野外市場でも同じです。

僕がこっちに戻って来た2015年くらいだと、野外市場じゃカード読み取り機を持ってる店もまだ少なくて現金が通用していたんですが、

他の街はともかく、今のストックホルムでは、そういう市場でもカード機を持っている屋台の店が多くなって来ました。

でも、困ることもあるんですよね。

カード読み取り機というのも機械だから、やっぱり時々故障したりデータが読み取れない、なんていうこともある。
そんな時にはレジに列も出来るし、買い物も出来なくなる危険性があります。

でも、そんな時に使われるのが、「Swish=スウィッシュ」という支払い方法です。

これは、もともと個人間の支払いに使われるように、銀行と電話通信業者が連携したアプリをスマホで利用するように開発された、おそらく世界でもスウェーデンが最初に取り入れた支払い方法です。

要は、Swishを起動して、電話番号を入力して「支払い」をタップすると、瞬時に相手側の口座に入金されるというものです。

友達や親子なんかの間でお金をやりとりする時でも、24時間使えるので便利ですし、このSwishは、友達や親子間だけでなく、とにかく、電話番号を入力するだけで支払い先が表示されて使えるので…

例えばお店のカード機が使えない時には「この番号にSwishしてください!」という案内がレジに表示されたりします。
もちろん、例の野外市場でも、カード読み取り機を持ってない店なんかでもSwish払いが出来ます。

だから、現金を使わなくても買い物や支払いはどこでもできますし、

よくあるのは、ライブハウスなんかで演奏するミュージシャンやグループなんかが、ハウスからギャラをもらう代わりに、観客に電話番号を見せて、「ここにSwishしてください!」と知らせて、ギャラの代わりにするということが出来るってわけです。

なので、ライブハウスとしてはギャラを支払わなくても済むし、ミュージシャン側にしても意外に多く稼げたり、もしかしたらちょっとした税金対策にもなるので便利ですね。

そんなわけで、最近は昔どこにでもあったATMも最近は少なくなったし、また残っているATMでも入金の機能がないものが多いので、ますますキャッシュレスの傾向は強くなっていますね。

それと、最近気がついたことなんですけど…

2015年に12年ぶりにこっちに戻って来た時は、街頭や店舗の入口とか道路脇、また地下鉄の車内とかに、いわゆる物乞いの姿が多くてびっくりしたもんです。

EU圏内の住民はビザがなくても自由に行き来出来るため、そういった人たちも裕福な国に来て「稼ごう」とするのは、ある意味当然なんでしょうけどね。

それで、僕が帰ってきた当時は「物乞い排斥」的な動きもあったんですけど、最近はそういう声もあまり聞かれなくなりました。
だって…現金が使えないんなら、施す人も少なくなりますよね…。

稼げなくなれば、そのうちどこか現金が稼げる国に行ってしまうんじゃないかと思っていましたけど、そういえば、最近はそういう姿もだんだん少なくなってきたような気がします。
良いことかどうかは別として…。

とにかく、

今のスウェーデンは、「財布がなくても良い」国になっているので、観光に来られる時は、カードだけは忘れないようにしてくださいね!

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