今年の2019年は、6月21日の金曜日が夏至祭りの前夜祭、土曜日、22日が夏至祭りです。
夏至祭りは洗礼者ヨハネの祝日に行われますが、ヨハネはキリストより半年早く生まれたという言い伝えから、クリスマスが12月25日と決められた後に、ヨハネの祝日が設置されて、この日になったということです。
この西暦300年代のキリスト教の伝統が、ドイツあたりからスウェーデンに伝わったのは西暦1000年頃と言われてますが、
スウェーデンや他の北欧の国々には、元々バイキング時代からの神話の世界があって、キリスト教が入る前から、この時期は北欧伝統の季節の祝祭が行われていました。
この時期はようやく長い冬が終わり夏の生産的な時期になるので、豊穣を祝った祭りとも言われています。
夏至祭りの前夜祭、つまり21日にはポールが立てられ、その周りを民族衣装を纏った人たちが歌い、踊って、周りの人と一緒に祝うのが常です。
このお祭りなんですが…
僕的には、キリスト教の洗礼者ヨハネの祝日というより、やっぱりバイキング時代からの「豊穣の祭り」という方が、どうもしっくりきますね。
北欧神話にはいろいろな「占い」や「縁起担ぎ」とか「願い事」なんかの儀式もたくさんあるんですが、
まず、このポールなんですけど…
これは正に「豊穣」のシンボルというか…
そのシンボル的な柱を、周りで踊りながら立てて、またその周りで歌を歌い踊って祝うという形式になっているんですよね…
そして、この日の前夜祭に摘む薬草には効果があると信じられていて、特にセント・ジョンズ・ワート(セイヨウオトギリ)を前夜祭の夜に枕の下にしいて寝ると、夢に現れる聖人のご加護があるとか、
また、未婚の女性の場合、未来の夫が夢枕に立つともいわれたり、花や葉で冠を作ると1年間の健康が約束されるとか、男女の縁結びや占いが行われたとか…
現代になってもこの形は変わらず、特にこの時期は白夜ですから、夜遅くまでご馳走を食べて、飲んで…
日長な白夜だし、豊穣の願いの意味もあってか、年間通して、この時期に受胎するのが一番多いとも言われてます。
この日に食べる料理も、正にご馳走です。
これぞバイキング料理といった豊富な、しかも豪華な料理と、その凝りよう…!そして、みんなで食するわけです。
なので、みんなこの日を待っているんですが、待ってるのは、何も豊穣の祭りやヨハネを祝うことや豪華な料理だけではありません。
実は、この時期からスウェーデンの「夏の休暇」が始まります。
スウェーデンでは有給休暇が5週間ありますから、この時期に3週間、クリスマスから新年にかけて2週間というのが市民の一般的な休暇の取り方です。
この時期になると、学校は2ヶ月の休暇で子供たちは大喜びですし、スウェーデン中の職場は「夏の休暇」に入って、仕事場は3分の1しか稼働しません。
とにかく、スウェーデン中が動きませんから…。
みんな、どっかにいっちゃいます。
この時期には、研修なんて受け付けてくれませんし、仕事のアポイントを取ろうと思っても、「セメスター(休暇)中」ということで、電話でのコンタクトも取れません。
もちろん、学校の夏休みに「宿題」なんてヤボなものはありません。
行くところは、
この、世界最高の夏だというのに、スウェーデン人の憧れの南の国に行く人も多いし…
逆に、北の方に行く人も多いですね…
今年の夏は、今のところ快適です。
みんな、どっかに行っちゃうんですよね…
僕は、残念ながらプロジェクトとして改造を予定していたキャンピング用のマイクロバスが故障していて、どこにも行けません。
まぁ、僕は毎日が「セメスター」みたいなもんですから、そのうちにボチボチ…やろうと思ってますけど…