今日は、僕の友人・同僚ダールマン容子さんからの「スウェーデン情報」です。
スウェーデン在住:ダールマン容子
中国から始まった新型コロナウィルスの感染拡大は、アジアからヨーロッパ、アメリカへと広がってきました。そして私が暮らすスウェーデンでも、今まさに感染拡大、またそれに対する政府の対策が行われている状況です。
そんなスウェーデンの新型コロナウィルスの感染状況や具体的な対応について、以下のブログに詳しくまとめておりますのでよろしければご覧ください。
情報は主にスウェーデンのニュースや新聞、また公式発表などをまとめたものです。
スウェーデンのコロナウィルス感染状況とその対策
・3月13日の状況まとめ
・3月20日の状況まとめ
3月20日のまとめに書いたように、今回のコロナウィルス感染対策で、私が「スウェーデンらしい」と感じたことの一つは、公衆衛生庁と政府の関係性です。
現在スウェーデンは他のヨーロッパの国々や、隣接するフィンランド、ノルウェー、デンマークなど北欧諸国とは異なる対策をとっています。
例えば、周辺諸国が2-10人以上の集会を禁止とする中、スウェーデンが禁止しているのは500人以上の集会。また各国が小学校、保育園の全国休校を実施する中、スウェーデンは小中学校、保育園に関しては休校していません。
こういった対応については、当然社会からは賛否両論の声が上がっています。それでも、政府与野党は一丸となって公衆衛生庁の指示に従うというスタイルなので、ブレがありません。
専門家の意見が尊重される社会
そもそもスウェーデンの社会は、一般的に専門家集団がつくる「庁」の権限が強い社会です。今回の感染症についてもスウェーデンの対策は政治家の政治的判断によるものでなく、公衆衛生庁という細菌感染に関する専門家集団がつくる「庁」が出す指針に従っているためです。そしてこの庁の判断は、研究結果やデータなどを根拠とするものです。
現在わかる感染拡大のリスクと、集会を禁止したり全国休校を実施して小さな子供たちが家にいることのリスクを比較した結果の判断となります。
スウェーデン首相の演説
3月22日(日)の夜、スウェーデンの国営テレビ(SVT)で、スウェーデンのステファン・ローヴェン(Stefan Löven)首相が全国民に向けて演説を行いました。
演説は5分程度の短いものでしたが、
「今は国民が一つとなり、お互いを助け合い支え合うとき」
「リスクがあるなら、今はリスクをとるときではない」
「あなたが大人であるなら、大人らしくふるまい、パニックや根拠のないうわさを流さないこと」
「一人一人が自分の行動に責任を持ち、感染拡大防止に努めること」
「社会が一丸となってこのウィルスに立ち向かおう」
など、今は自分の都合だけを考えるのではなく、国民一人一人が自分の行動に責任を持ち、国が一丸となって感染防止につとめようという、まっすくで力強いメッセージでした。
今後も定期的にスウェーデンのコロナウィルス感染の状況を更新していきたいと思います。
皆さまもどうか、お気をつけてお過ごしくださいね。