「思いやり」の違う表し方!

暮らしと文化

どこの国でも文化でも、人に対する思いやりというのはあるもんですが…

スウェーデンと日本では、思いやりの表し方がちょっと違います。

例えば年の差や年齢についてですが…

僕はずっと音楽やっていましたけど、それまでのライブハウスなんかでの演奏から障害者との音楽というものに切り替わったのは、30歳も半ば過ぎた頃で…

障害者とのロックバンドを結成した時は、それから10年、もう「おじさん」と呼ばれる頃でした。

ロックバンドEKOのことでも言いましたけど、ライブ演奏なんかも、年に100回以上はやって、国内や国外のツアーもありました。

ステージで見ると、ただ「ノって」いて演奏を楽しんでいるように見えますが、

その裏では、スタジオでのパッキング、運搬の車に積み込んで…降ろして…ステージでのセッテイング…とか…まぁ「重い仕事」がたくさんあって、

もちろん、スタッフもメンバーも、全員それぞれ自分たちでやるわけです。

僕はバンドのリーダーで、デイセンターでは所長…しかも最年長…。
パッキングしたり運んだり…いろんな仕事をみんなでやるわけですが、

ここで、日本なら多分…

リーダーで所長で、しかも一番年長の僕に対して…他の若いスタッフからは、

「あ…持ってあげます」とか、「自分がやるんで休んでください」とか…

まぁ、僕の年齢やポジションを考えて、思いやりを見せてくれるでしょうが…

こっちじゃ…

「はい、オターキ、これ持って」とか、「ついでに、これも持って」とか「ほら、ボサーっとしてないで」とか、

とにかく、散々こき使われるわけですよ…。

日本じゃ「歳だから、楽にさせよう」というのが、僕に対する思いやりで、

スウェーデンじゃ、「歳だからって区別すると、本人は歳取ってると思うだろう」というんで、年寄り扱いしないのが、スウェーデン流の思いやりというか…。

だから僕は、スウェーデンと日本では、それぞれ逆の意味での「思いやり」を、それぞれ有り難く受け止めていました。

それはそれで良いんですが…

日本では、重い仕事をしなくても済む代わりに…「あ〜歳なんだな…」と思い知らされ、

こっちじゃ、「オッケー、まだまだやれる!」と、歳を感じない代わりに、重いものを持たされる…というか…

まぁ、それぞれ意味は違うけど、軽かったり重かったり…
でも、思いやりですから…その両方とも有難く受け止めていました。

もちろん、「どっちが良い?」という問題ではないのは当たり前です。

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